【電子書籍化】婚約破棄された伯爵令嬢ですが隣国で魔導具鑑定士としてみんなから愛されています~ただし一人だけ溺愛してくる~
「あの、ラーシュさん。ちょっと思いついたんですけど」
カリーネが右手の人差し指を立てて、自分の頬をくりくりと回しながら、口を開く。
「その、各工場で余っているような部品を、どこか一カ所に集めて。それを必要な工場に売るという仕組みを作ってはいかがでしょうか?」
「何?」
ラーシュも思わず聞き返してしまった。カリーネがやりたいことはなんとなくわかる。それがもたらす結果も。
「ラーシュさん。私のメモ帳とペン、返してください」
そこでカリーネがラーシュの手に握られていたメモ帳とペンを奪い返せば、お茶の入っているカップをハイケの方にどかして、テーブルの上にメモ帳を開いた。
「ええと。各工場のいらない部品を預かるようなところを作ってですね」
メモ帳に大きく丸を書き、その丸に向かってたくさんの矢印を引く。
「その部品を必要とする工場に売るわけです」
今度は、丸から外向きに矢印が引かれる。
「こうすれば、各工場で眠っているような不動在庫の部品も、他の工場で有効活用ができると思うのですが、いかがでしょう? もちろん、各工場の不動在庫を、この丸のところに預けるときには、お金をもらいます。まあ、不動在庫の部品を売る、という感じですね」
カリーネが右手の人差し指を立てて、自分の頬をくりくりと回しながら、口を開く。
「その、各工場で余っているような部品を、どこか一カ所に集めて。それを必要な工場に売るという仕組みを作ってはいかがでしょうか?」
「何?」
ラーシュも思わず聞き返してしまった。カリーネがやりたいことはなんとなくわかる。それがもたらす結果も。
「ラーシュさん。私のメモ帳とペン、返してください」
そこでカリーネがラーシュの手に握られていたメモ帳とペンを奪い返せば、お茶の入っているカップをハイケの方にどかして、テーブルの上にメモ帳を開いた。
「ええと。各工場のいらない部品を預かるようなところを作ってですね」
メモ帳に大きく丸を書き、その丸に向かってたくさんの矢印を引く。
「その部品を必要とする工場に売るわけです」
今度は、丸から外向きに矢印が引かれる。
「こうすれば、各工場で眠っているような不動在庫の部品も、他の工場で有効活用ができると思うのですが、いかがでしょう? もちろん、各工場の不動在庫を、この丸のところに預けるときには、お金をもらいます。まあ、不動在庫の部品を売る、という感じですね」