【コミカライズ】【電子書籍化】婚約破棄された伯爵令嬢ですが隣国で魔導具鑑定士としてみんなから愛されています~ただし一人だけ溺愛してくる~
「そうなんです。保護回路がついていないから、大きな魔力が流れたときに、どうやらここに負荷がかかってこのように黒焦げになってしまったようなんです」
「これ、修理しても無駄ね。同じような使い方をしている限り、同じような問題がまた起こるわ」
「これって、わざと。なんですかね?」
「さあ? 設計者の能力が低いんじゃないの? むしろ、バカよ、バカ。この魔導具については修理するかしないか、客と相談した方がいいわね。むしろ、どこだっけ? なんとか商会に突っ返してもいい内容よ。金返せ、ってね」
「ラベルゴ商会ですね」
こんな粗悪な魔導具が出回っていることに、カリーネの胸がキリリと痛んだ。しかもホルヴィスト国で製造された魔導具。よりによって、それがこのストレーム国で判明するとは。
「とにかく、今は夕飯にしましょう。腹が減っては戦ができぬ、よ」
気持ち的にはあのラベルゴ商会に、戦を仕掛けたい気分だ。
工房にきっちりと鍵をかけてから、食堂へと向かう。リンは夕飯の支度を済ませて、既に帰ってしまったようだ。
夕飯は野菜たっぷりのシチューだった。ここに来てから、カリーネも食べる量が増えたし、棒切れのようだった身体も幾分か丸みも帯びてきた。だからハイケもリンもカリーネに向かって成長期と口にするのだ。
「これ、修理しても無駄ね。同じような使い方をしている限り、同じような問題がまた起こるわ」
「これって、わざと。なんですかね?」
「さあ? 設計者の能力が低いんじゃないの? むしろ、バカよ、バカ。この魔導具については修理するかしないか、客と相談した方がいいわね。むしろ、どこだっけ? なんとか商会に突っ返してもいい内容よ。金返せ、ってね」
「ラベルゴ商会ですね」
こんな粗悪な魔導具が出回っていることに、カリーネの胸がキリリと痛んだ。しかもホルヴィスト国で製造された魔導具。よりによって、それがこのストレーム国で判明するとは。
「とにかく、今は夕飯にしましょう。腹が減っては戦ができぬ、よ」
気持ち的にはあのラベルゴ商会に、戦を仕掛けたい気分だ。
工房にきっちりと鍵をかけてから、食堂へと向かう。リンは夕飯の支度を済ませて、既に帰ってしまったようだ。
夕飯は野菜たっぷりのシチューだった。ここに来てから、カリーネも食べる量が増えたし、棒切れのようだった身体も幾分か丸みも帯びてきた。だからハイケもリンもカリーネに向かって成長期と口にするのだ。