【コミカライズ】【電子書籍化】婚約破棄された伯爵令嬢ですが隣国で魔導具鑑定士としてみんなから愛されています~ただし一人だけ溺愛してくる~
「では、国に届けをしてもいい魔導具の基準を設けて、それを厳しくするとか。あ、そうだ。例えば、国が基準を設けた試験を合格した魔導具だけに、特別なマークを貼り付ける、とか」

 カリーネの話を聞いていたハイケの手が止まる。じっと、何やら考え込んでいる様子なのだが。

「カリーネ」
 いつもより低い声で名を呼ばれた。だからつい、カリーネも身構えてしまう。

「それ。提案してみましょう。こんな悪質な魔導具を売りつけるなんて、やはり魔導具士として許せない。クズ商会はぶっ潰してやりたい」

 そこで勢いよくスプーンを動かして、がつがつと食べまくるハイケ。これは、どこからどう見ても怒っている。勢いよく食べたせいか、すぐにハイケの皿の中のシチューは空になってしまった。カツンと音を立てて皿の中にスプーンを放り込めば、勢いよくスープを飲み干す。

「カリーネ。その試験を合格した魔導具にだけ特別なマークを貼るっていう内容なんだけど、何か考えはあるの?」

「そうですねぇ。とにかくどこかで安全に関する確認と評価をして、それで、そこでペタッと銘板を貼るか。でも、それだとものすごく時間がかかりそうだし……」
 シチューをすくって、口にいれる。もぐもぐ口を動かしながら考える。
< 123 / 222 >

この作品をシェア

pagetop