【電子書籍化】婚約破棄された伯爵令嬢ですが隣国で魔導具鑑定士としてみんなから愛されています~ただし一人だけ溺愛してくる~
 ハイケが最初に言った意味がわかった。これは、魔導具の国であるストレーム国にとっては必要なことだ。
 だが、問題はいくつかある。その評価を行う人間。評価の内容。それらについては、これから決めていく必要がある。

「カリーネ。君の提案は、とても興味深い。だが、実現するにはいくつも問題はある。誰が評価する? どのように評価する? 評価する内容は?」

「それは……」
 まだカリーネには答えることができない。ただ、このような機関があって、証明になるようなマークをつけることで、使う人が安心できればいいな、と思ったから。

「即答できないだろう? 実現させるためにはそこを詰めていく必要がある。だから、カリーネ。君は魔導具士を辞めろ」

「え?」

 ラーシュの一言がカリーネから思考を一瞬だけ奪った。

「君はただの魔導具士じゃない。これからは魔導具鑑定士を名乗れ。そして、この魔導具の評価機関の一員になれ」
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