【コミカライズ】【電子書籍化】婚約破棄された伯爵令嬢ですが隣国で魔導具鑑定士としてみんなから愛されています~ただし一人だけ溺愛してくる~
 フランはソファに寄り掛かって足を組んだ。さらに腕を組み、何やらじっと考え込んでいる様子。
 カリーネは、肩の荷がおりたとでも言うかのように、お菓子に手を伸ばしている。
 また、窓の外が光る。次は、すぐに雷鳴が聞こえてきた。

「カリーネ。君は、隣国に留学するつもりはないか?」
 じっと何やら考え込んでいたフランが口にしたのは、留学、という言葉。

「りゅうはふ、でふあ?」
 口の中にお菓子が入っていたカリーネが言うと「行儀が悪い」と母の声が飛んでくる。

「留学、だと?」
 ロード伯爵も右の眉をヒクヒクと動かしながら、フランを見る。

「ええ。カリーネの魔導具士としての技術を、もう少し隣国で磨いた方がいいと思うのです。隣国のストレーム国は魔導具の国とも言われていて、魔導具士養成学校まであるのですよ」

「それとこの婚約解消が、どんな関係がある?」

「恐らく、カリーネの婚約解消を聞きつけた無能な男どもは、金を狙ってカリーネに我こそはと求婚してくるでしょう。ですから、義父(とう)さんと私で、カリーネを隣国に追いやったということにするのです。いわゆる、国外追放というやつですね」

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