【電子書籍化】婚約破棄された伯爵令嬢ですが隣国で魔導具鑑定士としてみんなから愛されています~ただし一人だけ溺愛してくる~
この場合、認証制度について相談することがついでなのか、その魔導士と顔を合わせることがついでになるのかは微妙なところ。
「俺としては、あいつらにあまり会わせたくないのだが……」
どうやらその声はカリーネには届かなかったようだ。
「ラーシュさん、これからって言いましたよね?」
「んぁ? ああ、これからだ。昼食を終えたら、すぐに向かう。馬車は手配してある」
「こんな格好で失礼にはなりませんか?」
カリーネの言うこんな格好とはシャツにゆったりとしたズボンという格好。
「ああ、問題ない。気にするな。俺も似たような感じだしな」
たいてい、この学校に通うような人間は似たような格好をしている。ただ、似たような格好であっても、身に着けている物の質が何となく違う、という、そんな感じ。
ラーシュが「これから」と口にしていた通り、本当に昼食を終えたらその足で王宮へと向かった。
きらびやかな扉の前にラーシュと並んで立てば、彼が重々しい扉を叩く。
「ラーシュ・タリアンだ。魔導具鑑定士であるカリーネ・ロード嬢を連れてきたぞ」
魔導具鑑定士として紹介されてしまったことに、カリーネの頬はかっと熱を帯びた。と、同時に、ラーシュが名乗った割にはその彼の口調が軽かったことに気付く。
「俺としては、あいつらにあまり会わせたくないのだが……」
どうやらその声はカリーネには届かなかったようだ。
「ラーシュさん、これからって言いましたよね?」
「んぁ? ああ、これからだ。昼食を終えたら、すぐに向かう。馬車は手配してある」
「こんな格好で失礼にはなりませんか?」
カリーネの言うこんな格好とはシャツにゆったりとしたズボンという格好。
「ああ、問題ない。気にするな。俺も似たような感じだしな」
たいてい、この学校に通うような人間は似たような格好をしている。ただ、似たような格好であっても、身に着けている物の質が何となく違う、という、そんな感じ。
ラーシュが「これから」と口にしていた通り、本当に昼食を終えたらその足で王宮へと向かった。
きらびやかな扉の前にラーシュと並んで立てば、彼が重々しい扉を叩く。
「ラーシュ・タリアンだ。魔導具鑑定士であるカリーネ・ロード嬢を連れてきたぞ」
魔導具鑑定士として紹介されてしまったことに、カリーネの頬はかっと熱を帯びた。と、同時に、ラーシュが名乗った割にはその彼の口調が軽かったことに気付く。