【電子書籍化】婚約破棄された伯爵令嬢ですが隣国で魔導具鑑定士としてみんなから愛されています~ただし一人だけ溺愛してくる~
「カリーネ。何を笑っている」
隣のラーシュは面白くないのか、むすっとしている。
「いえ、何も」
というのは嘘だ。もう、この場にいるだけが面白い。
目の前のテーブルにお茶が置かれた。ありがとうございます、と言うとイヴァンと目が合う。彼はそっと笑む。
「カルロス。あれ、持ってこい。オレをこんな風にしたあの魔導具」
「はいはい」
マルスランが包帯ぐるぐる巻きの手を軽く振れば、カルロスと呼ばれた部下その二が部屋の隅の方にある布でぐるぐる巻きにされた何かの塊を手にして、こちらに持ってきた。
「爆発してるから、下に置くけどいいかな。爆発したんだよ、本当に。誰も信じてくれないけど」
「爆発した、というよりは、爆発させた、と思いますがね」
カルロスが布に包まれた塊を絨毯の上に広げた。そこから出てきたのは、黒焦げになった魔導具。辛うじて、原形を留めているから魔導パン焼き機と見えなくもない。
「オレさ。ここに住んでるのね」
ここ、ということはこの執務室のことだろうか。
隣のラーシュは面白くないのか、むすっとしている。
「いえ、何も」
というのは嘘だ。もう、この場にいるだけが面白い。
目の前のテーブルにお茶が置かれた。ありがとうございます、と言うとイヴァンと目が合う。彼はそっと笑む。
「カルロス。あれ、持ってこい。オレをこんな風にしたあの魔導具」
「はいはい」
マルスランが包帯ぐるぐる巻きの手を軽く振れば、カルロスと呼ばれた部下その二が部屋の隅の方にある布でぐるぐる巻きにされた何かの塊を手にして、こちらに持ってきた。
「爆発してるから、下に置くけどいいかな。爆発したんだよ、本当に。誰も信じてくれないけど」
「爆発した、というよりは、爆発させた、と思いますがね」
カルロスが布に包まれた塊を絨毯の上に広げた。そこから出てきたのは、黒焦げになった魔導具。辛うじて、原形を留めているから魔導パン焼き機と見えなくもない。
「オレさ。ここに住んでるのね」
ここ、ということはこの執務室のことだろうか。