【電子書籍化】婚約破棄された伯爵令嬢ですが隣国で魔導具鑑定士としてみんなから愛されています~ただし一人だけ溺愛してくる~
「結局、欠陥だらけの魔導具だった、ということか」

 マルスランの呟きに、ごめんなさいと言うカリーネ。

「いやいや、カリーネ嬢は悪くないだろう? 悪いのは、こんな中途半端な魔導具を作ったクソみたいな商会だ」

「ですが、同じ魔導具士として、利用者に怪我をさせるなんて、あってはならないことだと思ってます」

「違うだろ? 君は、魔導具鑑定士。そこのラーシュがそう言ってたと思うけど?」

「そんな、肩書きなんてどうでもいいんです。魔導具に携わる者として、一般的なことを口にしただけで……」

「うん」
 そこでマルスランは大げさに頷いた。
「合格。ラーシュ、引き受けよう」

 何を言っているのか、カリーネにはわからない。

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