【電子書籍化】婚約破棄された伯爵令嬢ですが隣国で魔導具鑑定士としてみんなから愛されています~ただし一人だけ溺愛してくる~
「でしたら。魔導パン焼き機、贈りますよ。そろそろ、次の試作機ができあがるので。そちらでよろしければ」

「え? 試作機? どこの魔導パン焼き機なの?」

「言っただろう? カリーネはホルヴィスト国から来てるって。あのロード伯の娘だからな」

「ロード伯? 魔鉱石の? てことはレマー商会?」

「そうです、そうです。レマー商会の魔導パン焼き機は私が設計したのですが、最初に設計したパン焼き機は少し大きかったので、次のは小型化を狙いました。こちらで勉強して、小型化できるって気付いたので。それの試作をお願いしていたところだったんですけど、そろそろできあがるって連絡があったので」

「レマー商会の魔導パン焼き機ってさ、本当にこっちには出回ってなくて。ホルヴィストからはすごく使い勝手が良いという話も聞こえてくるし。それで、あれを買っちゃったんだよね」

「はい。ですが、あのラベルゴ商会の魔導パン焼き機の設計は本当に酷いです。悪いものを売って、金儲けしようとする感じがひしひしと伝わってきます。ですが今、そういった魔導具を流通させないようにする制度がなくて。それで、あの認証制度を考えたわけですが」

「あのさ。あの魔導具。ドッカンさせたのがオレだったから、すぐに対処できたけど。普通の人間だったら、今頃、家が一軒無くなっててもおかしくないからね」
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