【電子書籍化】婚約破棄された伯爵令嬢ですが隣国で魔導具鑑定士としてみんなから愛されています~ただし一人だけ溺愛してくる~
「いいですよ。どちらまで付き合えばいいのでしょう?」

 ぎょっとしたのはラーシュだ。だが、カリーネが付き合うという意味を取り違えていることにすぐに気付いたのだが。

「そうだね、カリーネ嬢。できれば結婚まで付き合ってもらいたいんだけど」

 カリーネはきょとんとする。まばたきをいつもより多めに。ぱちぱちと。

「どういうことでしょう?」

「あれ? カリーネ嬢。お付き合いの意味、わかってない? 交際を経て、婚約して、結婚しましょうってことを言いたかったんだけど」

「ええっ」
 ぼっとカリーネの顔が熱を帯びて、赤く染まった。

「カリーネ嬢さ。そろそろ自分の立場を分かった方がいいよ。男除けの一人や二人、作っておいた方がいいから。ということで、オレなんてどう?」

 左手の親指を自身に向けているマルスラン。それを見て、どうしたらいいかわからないカリーネ。
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