【電子書籍化】婚約破棄された伯爵令嬢ですが隣国で魔導具鑑定士としてみんなから愛されています~ただし一人だけ溺愛してくる~
「ああ。あのひねくれ者のマルスランを説得した」

「てことは。あいつも委員会に入ってくれるってことか?」

「そうだ」

「そうかそうか。あいつが入ってくれれば、この制度も制度としての価値があるものになるな。で、だ。さっきから気になってたんだが、そのちっこい子は誰だ? お前のコレか?」
 と言って、右手の小指を立ててきたところでその人物の年代というものが推測できるのだが、残念ながらカリーネはその意味を知らない。

「ああ、紹介する。この子がカリーネ・ロードだ。あの制度の発案者。カリーネ、こちらは魔導具省の大臣を務めているアンドレア・ミロス」

「ま、今の魔導具省なんて、提出された資料を確認して、実物確認して、押印するだけだからな。定期的に、その工場には足を運んではいるが、それだって数年に一度の割合だ。何しろ、魔導具省には人がいない」

「威張るなよ」

「だが。このように認証制度を設ければ、魔導具省にも認証部門ができるからな。今度からはそいつらに任せればいい」

「お前も仕事しろ」

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