【コミカライズ】【電子書籍化】婚約破棄された伯爵令嬢ですが隣国で魔導具鑑定士としてみんなから愛されています~ただし一人だけ溺愛してくる~
 そしてその十日後。婚約の書類が一方的に送られてきて母親は喜び、ロード伯爵はモンタニュー公爵家に足を運んだ。そこで、何やら話がすすみ、カリーネとヘルムートの婚約が成立してしまった。恐らく、モンタニュー公爵家に足を運んだのがフランであったのであれば、最初からこの婚約は成立しなかっただろう。それほど父と義兄の性格は違う。
 そして、それから三か月後の今日。一方的に婚約解消を求める書類が送られてきた、というわけ。

 いつの間にか、外は雨が降り出したようだ。先ほどから、雨は窓に激しく叩きつけられている。

「カリーネの婚約は解消する。そして、カリーネ。君はフランの言う通り、ストレーム国に行きなさい。そこで魔導具養成学校に入学し、魔導具士としての腕を磨くこと」

「そして、未来の旦那様を見つけてくること」

 と言う、母親の言葉には頷きたくない。別に、未来の旦那様なんて、今のカリーネは必要としていないのだから。

「そうと決まれば、早速根回しをしますよ。隣国には私が留学していた時にお世話になった方がいるので」
 そう、このフラン。実は十七のときから三年間、隣国に留学していたのだ。その後、この国へ戻って来て、リネーアと出会う。だから、博識な面を持ち合わせている。

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