【電子書籍化】婚約破棄された伯爵令嬢ですが隣国で魔導具鑑定士としてみんなから愛されています~ただし一人だけ溺愛してくる~
 この規約ができあがる二か月前。
 学校の長期休暇に合わせ、魔導パン焼き機の試作機を確認するためにあの屋敷へ戻った時のこと。

 母親が娘の成長ぶりに目と口をあんぐりと開けた後。
「大きくなったわねぇ」
 取り繕うかのように言った。

 父親であるロード伯も義兄であるフランも、カリーネの成長ぶりに驚いた様子。
「大きくなったな」
 と口をそろえて言っていた。そして姉のリネーアは、待望の第一子を授かったところで、少しだけ目立つようになったお腹でカリーネのドレスについてひたすら心配していた。つまり、カリーネが成長しすぎたため、新しいドレスを仕立てる必要がある、と言い出したのだ。さらに、パンクハーストには腕のいい仕立て屋がいるから、そこに頼んだらいいとか口にするのだが、その仕立て屋がラーシュに紹介された仕立て屋であったため、姉の情報収集能力について感心してしまった。

 久しぶりの家族団らんの場。
 フランが驚くことを口にした。
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