【コミカライズ】【電子書籍化】婚約破棄された伯爵令嬢ですが隣国で魔導具鑑定士としてみんなから愛されています~ただし一人だけ溺愛してくる~
「ああ、でもお義兄(にい)さま。今、試作している魔導パン焼き機が完成してから行きたいのですが……」

「何も明日から行け、と言っているわけではないからね。手続きやら何やらを考えると、恐らく早くても一月(ひとつき)後だ」

「でしたら、魔導パン焼き機も完成していますね」

「ねえ、魔導パン焼き機って何なの?」
 聞き慣れない言葉が気になっている様子のリネーア。

「お姉さま、そのまま言葉の通りです。材料をぽんと入れれば、パンが焼き上がる魔導具です。前日の夜に、魔導パン焼き機に必要な材料をセットしておけば、次の日の朝には焼きたてパンを食べることができるのです」

「へぇ。それは、助かるわね。寝ているうちにパンができるなんて」

「しかも焼き立てですから」

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