【コミカライズ】【電子書籍化】婚約破棄された伯爵令嬢ですが隣国で魔導具鑑定士としてみんなから愛されています~ただし一人だけ溺愛してくる~
 だが、気付いたときにはバルコニーでラーシュと二人きりになっていた。もしかして、早くこうしたいから彼が足早に挨拶をして回ったのではないか、と思えてしまうほどに。

「疲れたか?」

「そうですね。人が多くて。ラーシュさんは向こうに行かなくてもよろしいのですか?」

「粗方、挨拶をしたから問題はない」
 ラーシュはそっとカリーネの腰に手を回し、抱き寄せる。
「そのドレスも良く似合っている」

「ありがとうございます。このドレス、コルセットがいらないので、すごく楽なんです。ホルヴィストはまだ保守的なところがありますが、ストレームは斬新というか。新しいことを取り組んでいく姿勢は、ホルヴィストも見習うべきところですよね」

「そうだな。今回の魔導具認証制度はストレーム国だけでなく、近隣諸国にも影響は与えると思う。何しろ、このストレーム国で魔導具を売るためには、他国の魔導具であってもこの国の評価制度によって評価を受ける必要があるからな」

「そのためのホルヴィスト第一号が、レマー商会の魔導パン焼き機です。改良版です」

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