【電子書籍化】婚約破棄された伯爵令嬢ですが隣国で魔導具鑑定士としてみんなから愛されています~ただし一人だけ溺愛してくる~
魔導車がぐんぐんと進んでいく。もちろんこの魔導車を運転しているのはカリーネの義兄であるフラン。主な移動手段が馬車から魔導車へと替わったことで、移動に費やす時間もぐんと減った。
ヘルムートとカリーネの婚約が解消されてから二か月後。彼女は今、義兄が運転するストレーム国に向かう魔導車の中にいた。
「それで、なぜお姉さまもいらしているんですか?」
カリーネは隣に座っている姉に声をかけた。フランがカリーネを隣国まで送り、その他諸々の手続きを行うと名乗りをあげた。むしろ、隣国に留学経験がある彼がそれを引き受けてくれたことで、ロード伯爵の負荷というのは一気に減った。
「あら。だってフランは私の旦那様ですもの。一緒に行くのが妻の役目でしょう? それに、可愛い妹が二年間も隣国に留学するのよ。それの手伝いくらいさせなさいよ」
「というよりは、パンクハーストで買い物したいから、というように思えるのですが……」
「あら、わかっちゃった?」
「お姉さまのことですからね」
「どうやら、パンクハーストでは画期的なデザインのドレスが流行っているようなのよ。普段着使いのね。そういった新しいことは、わが国でも取り入れていくべきだと思うのよね」
ヘルムートとカリーネの婚約が解消されてから二か月後。彼女は今、義兄が運転するストレーム国に向かう魔導車の中にいた。
「それで、なぜお姉さまもいらしているんですか?」
カリーネは隣に座っている姉に声をかけた。フランがカリーネを隣国まで送り、その他諸々の手続きを行うと名乗りをあげた。むしろ、隣国に留学経験がある彼がそれを引き受けてくれたことで、ロード伯爵の負荷というのは一気に減った。
「あら。だってフランは私の旦那様ですもの。一緒に行くのが妻の役目でしょう? それに、可愛い妹が二年間も隣国に留学するのよ。それの手伝いくらいさせなさいよ」
「というよりは、パンクハーストで買い物したいから、というように思えるのですが……」
「あら、わかっちゃった?」
「お姉さまのことですからね」
「どうやら、パンクハーストでは画期的なデザインのドレスが流行っているようなのよ。普段着使いのね。そういった新しいことは、わが国でも取り入れていくべきだと思うのよね」