【コミカライズ】【電子書籍化】婚約破棄された伯爵令嬢ですが隣国で魔導具鑑定士としてみんなから愛されています~ただし一人だけ溺愛してくる~
 じっとハイケはカリーネを見下ろしている。ハイケが特別背の高い女性というわけではない。カリーネが同年代の女性よりもやや小さいだけで。

「見た目は子供だが、魔導具士としての必要な知識は備えているみたいね。ここで立ち話もなんだから、中に入りなさい。もう少しであの男もくるし」

 玄関が開いて、三人は家の中へと入る。中も至って庶民的な家。ロード伯爵邸のようなきらびやかな調度品などは置いていない。シンプルでありながら、どこか機能的。

「地下が工房になっているから」

 外から見えた地下室の窓。どうやらあそこが工房らしい。

「とりあえず、お茶を淹れるわ。適当に座って。あ、フランの奥さんの名前を聞くのを忘れた」

「リネーアよ」

「よろしくね、リネーア。悪いけど、手伝ってもらってもいいかな?」

「もちろん」

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