【コミカライズ】【電子書籍化】婚約破棄された伯爵令嬢ですが隣国で魔導具鑑定士としてみんなから愛されています~ただし一人だけ溺愛してくる~
「カリーネ。こちらの生活はこのハイケとラーシュが面倒をみてくれる。君はここで二年間、魔導具士としての知識を身に着け、技術を磨くことが目標だ。そして、ここで得た技術をこちらに持ち帰ってきて欲しい、というのが私の狙いだよ」

「あら。カリーネはホルヴィストに戻ってしまうの? このまま、ここに住んでいてもいいのよ」
 残念そうにハイケが口にする。

「まあ、卒業後、どうするかはカリーネ次第だろうな。ラーシュのように研究課程に残るのもありだし、ハイケのように自分の工房を持つのもありだし。だが、私としてはあそこに戻ってきてもらいたいね。あの工場(こうば)を任せたいから」

「まったく、ここにいたときのフランは、気ままな三男坊だったのに。今ではすっかり当主様が身についていやがる」
 ラーシュが大げさに肩をすくめた。

「まだ、勉強をさせてもらっている身だから、当主ではないよ。それに、私には他にもやりたいことがあるからね」

「なんだよ、やりたいことって」

「決まってるだろ、ラベルゴ商会をぶっ潰す」

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