【コミカライズ】【電子書籍化】婚約破棄された伯爵令嬢ですが隣国で魔導具鑑定士としてみんなから愛されています~ただし一人だけ溺愛してくる~
 ピシャリとハイケの声が飛んできて、遮られた。とにかくわかったことは、二人はそういう関係ではない、ということ。
「では、私はお邪魔虫ではないんですね?」

「お邪魔虫って……。君は一体、どんなことを考えていたんだい?」

 ラーシュが頬杖をつきながら、楽しそうにカリーネを見つめている。

「ですから、その。お師匠さまとラーシュさんが恋人同士なのかと。だから、私がここにいたらお邪魔なのかと思ったのですが」

「仮にそうだったとしても、君はここ以外、行くところがないだろう?」

「でも、気を使うことくらいはできますから」

「じゃ、気を使う必要は無いな。俺とハイケはそんな関係ではないのだから」

 つまんない、とカリーネが呟いたのをリネーアは聞き漏らさなかった。どうやらこの妹。他人のことになれば、恋愛沙汰にも興味があるらしい。その事実に、リネーアはちょっとだけ安心した。
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