【コミカライズ】【電子書籍化】婚約破棄された伯爵令嬢ですが隣国で魔導具鑑定士としてみんなから愛されています~ただし一人だけ溺愛してくる~
「おはようございます」

「カリーネの席はそこよ」
 と声をかけてくれたのは、アグネスだ。面倒見のいい姉御肌タイプ。そして、貴重な女子学生。
 やはりこの魔導具士養成学校に通う者は、男性の方が多い。実際、女子学生の数というのは全体の一割にも満たないらしい。そして、通っている生徒の年齢であるが、下はカリーネの十六歳から、上は他の生徒から長老と呼ばれて親しまれている六十七歳まで。街の学校を卒業した者から、魔導具士の工場で働きながら通っている者、第二の人生を謳歌したい者など、年齢も経歴も様々な人たち。
 アグネスは、年は二十五歳になったところ。魔導具の工場で働いているのだが、そろそろ工場の製造部の責任者を任されることになりそうで、それで工場の薦めでこの学校に通い出したとのこと。

「アグネス。この子が噂の留学生か? なんだってちっこいな」
「きちんと食べているのか?」
「あ、おやつがあったんだ」

 よくわからないうちに、カリーネの机の上にはお菓子の山が出来上がった。

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