【コミカライズ】【電子書籍化】婚約破棄された伯爵令嬢ですが隣国で魔導具鑑定士としてみんなから愛されています~ただし一人だけ溺愛してくる~
 それから一時間後、あの男ことラーシュが工房に現れた。

「ああ、あの男ってラーシュさんのことだったんですね」

「やぁ、子リスちゃん。今日は、いつもと雰囲気が違うな。一昔前のハイケを思い出すよ」

「はい。これ、ハイケさんの服を借りたんです」

「いつもの服はどうしたんだ?」

「う……」
 きつくなって着ることができない、という事実をラーシュに告げることがなぜか恥ずかしいと感じてしまった。

「あら、見てわからないの? 成長期に入ったのよ」
 ハイケのその言葉で状況を察したラーシュは、それ以上、カリーネの服について追及するようなことはなかった。

「ところで、部品の偽物ってどういうことだ?」

 早速本題に入ったようだ。カリーネは、修理した放送機について、不具合の内容とその原因について簡単に説明をした。しかも、書き上げた回路図があったため、それを使うことでラーシュはすぐさま理解をしてくれる。

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