【コミカライズ】【電子書籍化】婚約破棄された伯爵令嬢ですが隣国で魔導具鑑定士としてみんなから愛されています~ただし一人だけ溺愛してくる~
「もちろん、部品を盗まれたときには、生産を停止しなければならないと思ったさ。だけどな、運よく、部品が手に入ったっちゅうわけだな」

「何?」
 またラーシュは眉間に力を入れてしまう。盗まれた部品。運よく手に入った部品。

「いつもの代理店に頼んだら、やはり部品の入荷に十日程時間がかかると言われてだな。その間は生産を停止にしようという話し合いをしていたんだ。だが、調達部門の奴が、他の代理店からであればすぐに部品が購入できるっちゅう情報仕入れて。それで、いつもと違うところから部品を買ったんだ……」

「その代理店の名前を覚えているか? それに、何の部品を購入したか」

「ああ。代理店の名前は記録を見ればすぐにわかる。仕入れた部品は、覚えている……。その、蓄魔力器だ……」
 そこで、ボルネマンは頭を抱える。
「もしかして……」

「恐らく、()()だろうな。いつもと違う代理店から仕入れた蓄魔力器。それに表示されているロゴが、いつものロゴと違う。となれば、なんとなく話が見えてくるよな」

 ラーシュの話を聞いたボルネマンは勢いよく立ち上がる。

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