【コミカライズ】【電子書籍化】婚約破棄された伯爵令嬢ですが隣国で魔導具鑑定士としてみんなから愛されています~ただし一人だけ溺愛してくる~
「悪いが、品質保証部門に連絡をしてくる。その部品を使った音声放送機は全数回収する指示を出す。ちょっと、今後のことを相談にのってもらいたいから、少し待っていてくれ」
 ボルネマンは乱暴に扉を開けると、会長室を飛び出して行った。
 秘書の一人がやって来て、新しくお茶を淹れながら「少々お待ちいただけますか」と声をかけて、隣の部屋へと消えていく。

「ややこしい話になったわね」
 淹れたてのお茶をゆっくり飲みながら、ハイケが言った。

「そうだな。だが、正規の代理店ではなく、別の代理店から購入しているという点が気になるな。その代理店の名前は、公表した方がいいだろう」

「ラーシュさん。でも、都合がいいとは思いませんか?」

「何がだ?」
 カリーネの言葉に思わず問いかける。

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