夢の中だけでもいいから私に愛を囁いて
同期の紗英にランチの時に今朝のことを報告すると。
「前から夢を見ることが多いって言っていたよね。正夢を見られるなんてある意味スゴいよ。予知夢とかっていうのじゃない」
「良い夢ばかりならいいんだけど、そうじゃないから大変なんじゃない」
と過去の夢の話をした。
人とぶつかる夢も何度も見ている。
その夢で覚えていることは、1つは迷子になった私が人とぶつかり一緒に母を探したもの。2つめは大学生の頃で、ぶつかった人から交際を申し込まれ、初めての彼氏ができたというもの。3つめは出会い頭の事故で相手のおじさんが書類をばら蒔いてしまい慌てて拾い集めたこと、お互い様だと思うのにあの時すごく怒鳴られて凹んだな…。
「ぶつかる夢は一勝一敗一引き分けって感じなんだよね」
「なんの勝負をしてるのよ」
呆れた口調で返される。
「うーん、良いものか嫌なものかの勝負?」
「乃愛の夢の話は楽しいよ。次はどんな見たかまた教えて」
「紗英のも教えてね」
「覚えてたらね」
笑って「だって夢ってあまり見ないんだよね」と言われた。
夢って、見ないの?覚えていないの?