夢の中だけでもいいから私に愛を囁いて
妨害されてる?
陽くんたちと飲みに行った日の前日から卓人さんは出張で日本を離れた。2週間の予定でアメリカに向かったのだ。
「毎週来てたのにな…」
何年もずっと会ってなかったくせに、毎日会えるようになると会えない期間がとてつもなく長く感じていた。
田中さんから告白されて2週間が過ぎた頃、家の最寄り駅で陽くんに会った。
「「あっ」」と二人同時に声をあげる。
「お疲れさま」
「あぁ、お疲れさま。…あのさ悠貴…いや。それより、この前お前の家から岡田部長が出てきたのを見て、おばさんに聞いたんだけど…」
「そう…部長は私の叔父よ。京ちゃんの旦那さま」
「おっ…おぉ。そうだってな。実はお前と岡田部長が二人で歩いているところを見かけてさ。その時、悠貴もいたから驚いてさ…」
「それって家に来るときに一緒になることがあったからだと思うよ」
「そっか、なんだか良い雰囲気だなって話してて、もしかして付き合ってるのかなって話になったんだよ」