夢の中だけでもいいから私に愛を囁いて

「悠貴。俺が気持ちを伝えたのが昨日でさ。また、乃愛を悩ませてしまったようだから答えはもう少し待ってやってくれよ」

陽くんが肩に手を置き、少し無理したような笑顔を向けてくる。

「仕方ないな。乃愛ちゃん悩ませてごめんな…。でも、ここで悩まれるってことはもともとダメだったってことか…。俺もう振られたも同然じゃん。今日は飲むぞ」

「まだどうなるか分からないだろう。乃愛もいるんだし、酔いつぶれるなよ。お前まで送れないぞ」

「分かってるよ」

二人が優しく接してくれて、ますます申し訳ない気持ちでいっぱいになった。

昼間のことは事故。本当に卓人さんを忘れて、前に進んでいけば私にも本気で愛せる人に出会えるのかも…。
そう、卓人さんは叔父なんだ。

私の口数がいつになく少なかったことを心配してくれたようで家までの帰り道、陽くんは子供の頃のように手を繋いでくれていた。
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