夢の中だけでもいいから私に愛を囁いて

今まで職場ですれ違う時に見ていた滝川さんとは別人のようなフランクな様子に戸惑うも怜子さんの言葉に耳を傾ける。

「卓人があなたを見てる時の顔、どんなだか知ってる?無意識に好きな子を目で追ってしまって、あなたと目が合えば嬉しそうにして、他の男と話している姿にイライラして、そんな一喜一憂してる様子なんて以前の彼からは考えられないんだから」

「それって怜子さんの勘違いだと思います。さっきも言いましたけど、叔母の代わりに見られてるだけだと思います。卓人さんは今でも忘れていないみたいです…叔母のこと…いつまで経っても叔母には敵わないんです。それが分かるから…だから……もう諦めようかなって思ってます」

「もう諦めるって、どうして?卓人にとってあなたは絶対特別な存在になってるわよ。私があんな風に見てもらえたら諦めるなんて考えられないわ」

「そんな自信ありません…」

「卓人がはっきり言わないからね。ぐずぐずしてたら他の男に取られちゃうって分かってないのかしら」
腕を組んで呆れぎみの怜子さんが続ける。

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