夢の中だけでもいいから私に愛を囁いて
「そうだよ。俺は乃愛が幸せになるところを見守ることができれば…それでいいんだ」

「だから、私が乃愛の気持ちを探っていたんじゃない。乃愛は卓人のこと好きよね?」

優しく、そして姉のような言い方で聞かれ、私は頷く。

「乃愛、本当か?」

「こんなこと…嘘なんかつかないよ。卓人さんが好き…。ずっとずっと前から…」
嬉しい気持ちと恥ずかしさで言葉が途切れてしまう。

気がつけば、卓人さんに抱き締められていた。

「…俺も乃愛が好きだ…誰にも渡したくないと思っていたけど、俺が相手じゃ乃愛が困ると思ってた。でも、やっぱり…」

卓人さんの告白が続いていたけど怜子は「良かったわね」と声をかけ、私たち二人を残しマイクさんと一緒に部屋から出ようと扉まで行ったところで卓人さんが顔を二人に向けていた。

「怜子、マイク、ありがとう」

「ちゃんと自分の気持ちに素直になってね。それときちんと言葉にして相手に伝えること。乃愛を不安にさせないであげて」

「怜子さん、ありがとうございます」

私は怜子さんの気持ちが嬉しくて、瞳から涙が溢れてきた。
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