寡黙なトキくんの甘い溺愛
そしてゆっくりと体を離し、乱れた布団を直す。
見渡すと机がある。ついでだし、俺もここで作業をしよう。
「(まだ時間はある。倉掛さんの負担が減ればいいけど……)」
クラスの皆の名前は、もう頭に入っている。あと半分くらいなら、出来るな。
何も考えずに、無我夢中で手を動かす。
「……」
その時に、そんな俺を、倉掛さんがこっそり見ているとも知らずに――
「(さっきのって、一体……っ?)」
俺がキスをした頬を手で触り、顔を赤らめる倉掛さん。
当の俺は、まさか倉掛さんに気づかれているとも知らずに、必死にクラス皆の名前を書いてた。