寡黙なトキくんの甘い溺愛

後ろから、まじまじとトキくんを見る。

カッコイイ人っていうのは、どうして後ろ姿もカッコイイんだろう。

不思議。あと、羨ましい。




「(しずかちゃんも、後ろ姿だけで綺麗って分かるもんねー)」



その時、ショップのウィンドウガラスに、自分の姿が写る。

たやすく群衆に紛れる私と、圧倒的存在感を放つトキくん。



「見て〜今の男の子!」
「見た見た!ヤバ!イケメン!」



当然、周りから噂をされまくっていて……一緒にいる身としては、肩身が狭い。



「(でも、なんでそんなトキくんが……)」



保健室での事を思い出す。それは、トキくんが私の涙を拭ってくれた時。


トキくんに、ほっぺにキスされた。


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