寡黙なトキくんの甘い溺愛
「やっぱりトキくん調子悪かったんだね、しずかちゃんの言った通りだった……。
トキくん、たくさん無理させちゃってごめんねっ?」
「(調子悪い?俺が?)」
「横になる?先生呼ぼうか?」
俺の周りをワタワタして忙しなく回る倉掛さんの手を、パシッと掴む。
「ひゃっ」
いきなり掴まれた事により倒れてしまった彼女は、座って胡坐をかいていた俺の足の中にポスンと落ちて来た。
「……っ」
「あ、あの……トキくん……?」
いきなり、倉掛さんの顔のドアップが目の前に来て……やばい。絶対、いま顔が真っ赤だ。
でも、赤面しているのは倉掛さんも同じだった。
と言っても、倉掛さんの場合は「俺だから」ってわけじゃなくて、この態勢が恥ずかしいんだろうけど。