寡黙なトキくんの甘い溺愛

こんなに真剣な目をしてお願いをされてしまったら、もう何も言えなかった。私はただ頷いて「頑張ってね」とエールを送った。


「良かった!砂那には応援してほしかったから……嬉しい。俺がんばる」

「……うん」



パッと笑みが顔に咲いたトキくんは、とても無邪気に見えた。男の子って感じがした。いつもは王子様みたいな雰囲気なのにな……勝負ごとになると、男の子って子供に戻るのかな?



「(じゃなくて)」


ハッとする。普通に会話をしてるけど、私さっき告白されたよね?された……よね?


「(私のこと好き?って、私もちゃんと聞けたし、うん。あれは告白だったんだ、きっと!)」



再認識すると、やっぱり嬉しくて頬が緩む。だって、好きな人に「好き」って言われたら、誰だって幸せだよね。幸せ過ぎて溶けちゃうよね……!

だけど、ここで、ふと疑問に思う。

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