寡黙なトキくんの甘い溺愛
――「俺の告白ってさ、砂那ちゃんにきちんと告白って受け止められてると思う?」
数日前に大橋からもちかけられた質問を、まさか俺も自問自答するとは思ってもみなかった。
放課後、教室に誰もいないのをいいことに砂那の手を握ったり抱きしめたり……それに、「大事な人」だとか「独占欲」だとか、なんか他にも、もっといっぱい恥ずかしいことを、これでもかと砂那に言ってしまった。
言ってしまったというよりは……ただ一方的に、俺の気持ちを砂那にぶつけてしまった、だけなのかもしれない。
「はぁ……」
柔道部に入部してから一週間。俺はまだ明るい空の下、部下帰りの重たい体を引きずりながら帰宅している。といっても、まだ下駄箱だ。最終下校時間だからか、下駄箱には部活終わりの生徒で溢れていた。
そして、その中に。
今一番会いたくないといっていい人物もまぎれていた。
「あ、トキくん~」
「大橋……」