寡黙なトキくんの甘い溺愛
「(これも砂那に会えたおかげだな。君に会って、自分自身を変えようって思って……結果、いろんなことがプラスに変化してきてる。
砂那、ありがとう。君からたくさんの感情も、経験も、貰っている気がする)」
だからこそ、もう一度、伝えようと思う。
あんな告白じゃ、俺の思いは届かない。
届けたい。俺の気持ち全てを、余すことなく。
俺がどれだけ砂那を好きかって事も、どれだけ君を待ち焦がれていたかも――
「……うまい」
「ね!ここのラーメン屋、ずっと入ってみたかったんだ!トキくんとっていうのが癪だけどね」
「そのセリフ、そのまま返す」
「も~!ツンデレなんだからトキくんは!」
そして、君にどれだけ感謝したいか、ということも。
俺は改めて、君に伝えたい。
「(もう失敗しない――絶対に)」
決意を固めるように、ラーメンの汁を全部飲み干す。
すると横で大橋が「しょっぱくない?」と眉間にシワを寄せ、水をちょびちょび飲み始めたのだった。
トキ side end