寡黙なトキくんの甘い溺愛
「じゃあ今日パジャマ買いに行くー?」
「あ、ごめん……オリエンテーションのクラスの出し物を考えないといけなくて」
「そう言えばうみ先生に言われてたね。大変じゃん、手伝うよ」
「や、いいの。大丈夫、何個か案はあるから。後は大橋くんと話し合って決めるよ!」
「でも」という相条さんの鞄を持って、倉掛さんがニッコリと笑みを浮かべる。
「しずかちゃん、部活見学を楽しみにしてたじゃん!いっぱい見学してきて、また私に感想を教えてよ」
鞄をズイッと渡されると、相条さんも無理を通しずらいのか「困った事があったら絶対に相談してね」と言って、教室を出て行った。
残った倉掛さんはと言うと、
「はぁ。どうしようかな……」
途方に暮れていた。
教室には倉掛さんしか居ない。
俺は迷わず、彼女を目ざして歩いた。