捨てられた男爵令嬢は騎士を目指す〜小姓になったら王子殿下がやたらと甘いのですが?

「ボクに逢いたくて、逢いたくて。騎士に志願したのだな?」
「……は?違いますけど」
「ああ、皆まで言わなくていい……ミリュエール、君は本当にボクを愛しているのだね……アニタに意地悪したのも、ボクを心底愛しているゆえだ、と……今ならわかる。そんな愚かな自分を反省し、妃でなく騎士となってまでボクの近くにいたいとは!なんと健気だろう」
「あの……元から、根底から違うので「ミリュエール!ああ、なんて罪深いボク……こうしてたくさんの女性を虜にしてしまう。自分が憎いよ。仕方ない……そんなに慕ってくれるなら、第二妃にしてあげよう!」
「だ〜か〜ら、違いますしお断「さぁっ、ボクに跪きたまえ!ミリュエール。それだけですべて赦してあげよう。なんと寛大なボク!」

(駄目だ……ぜんっぜん……言葉が通じない。全く変わってないわ……)

会話するだけで、騎士の鍛錬よりどっと疲れるって。どんだけ精神的ダメージが来てるんだろう……。
よく2年も我慢したな、自分。だから精神的に鍛えられたのかもしれない。

なんかまだうわ言をほざいているけど、わたしはきっぱりと大きな声で言い切った。

「レスター殿下、わたしはあいにくあなたをお慕いもしておりませんし、騎士に志願したのは男爵家を継ぐためです。未練は一切はありませんのでご心配なさらないでください」




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