捨てられた男爵令嬢は騎士を目指す〜小姓になったら王子殿下がやたらと甘いのですが?
「ぎゃあああ!アスター王子、なんでまた裸なんですかあああっ!!」
「いてっ!ナイトランプを投げるな!!」
翌朝、目覚めた時にまたアスター王子は裸でわたしを抱きしめてた。だから、当然制裁を加えておいた。
「また、おまえが寝ぼけてオレのベッドに来たんだろう!」
「なら、ぼくのベッドに運んでくださいって前にも言いましたよね!?それに、なんなんですか!なんでお腹に武器を仕込んでわたしの背中に向けるんですか!?」
「そ、それは男の事情だ……いてっ!本を投げるな!死ぬぞ」
「いっぺんそうなさったらどうですか!?変態ーー!!」
わたしとアスター王子がどたばたと朝の恒例行事をしていると、起こしにきた執事さんがめちゃくちゃ生暖かい目をしてた……。
「……おい。なんでそんなに離れる?」
「寄らないでください。朝からぼくを武器で狙う変態には近づきたくありません」
「変態じゃない!あれは男なら大抵朝に…おい、なんだその目は?」
「……そんなにぼくを狙ってるんですか?」
「そりゃあオレはおまえを(早くああしたい)……おい、なんでさらに白い目になる?」
「鳥肌が立ちました。本能的に身の危険を感じてますからね」
朝食の席では思いっきり端に座った。家長のアスター王子が上座だから、少なくとも椅子十個分は離れてる。
「朝から仲がいいねえ」
「そうですわね……いいことです」
わたしとアスター王子のやり取りを、ピッツァさんはにやにやと、お母様は微笑んで見守ってた。