捨てられた男爵令嬢は騎士を目指す〜小姓になったら王子殿下がやたらと甘いのですが?
現在の王妃で唯一の男子が第二王子のレスター殿下。王妃様は他国の王家の血も引く高貴なお方。正妃となる婚約者は公爵令嬢。それゆえ、レスター王子はほとんど王太子に準じる扱いがされていたのですけど…まあ、性格はお察しください、なわがまま王子でして。思い通りにならないと、すぐヒステリックに怒鳴る喚く。挙句の果ては、権力で周りを動かしなんとかしようとする。
だから、周りも面倒でハイハイと言うことを聞くからさらに増長する悪循環。
ソフィア公爵令嬢との婚約破棄も、騒がれはしたけれど。一度言い出したら聞かないレスター王子の頑固さを知ってるから、呆れながらも受け入れるしかなく。
(一応、王妃様は叱ったみたいだけど…)
不本意ながら男爵令嬢のわたしが新しい婚約者となりました。
もちろん、反発はありましたし反対もされました。何ならわたしも相応しくないとか、なんとか。理由をつけて辞退しようとしましたよ。
でも、なんか……
「照れなくていいよ。ボクの目はキミしか見えないし、キミの瞳にはボクしか映ってないのはわかってるから…」
なんて、頭がわいたようなセリフを繰り出されるから、精神衛生上黙ってるしかなかったわけでして。
ちなみに、ソフィア公爵令嬢は改めて第一王子であられるアルベルト殿下と御婚約されました。
王妃腹でなかったゆえ、有能な長子なのに王位継承争いで不利であった殿下も、その婚約により一気に有利になられました。