捨てられた男爵令嬢は騎士を目指す〜小姓になったら王子殿下がやたらと甘いのですが?
「わぁ!嬉しいです。ピッツァさんと一緒に戦えたなんて、信じられない!光栄ですよ」
「あはは!そんなに言ってもらえたら嬉しいねぇ」
「ぼくはピッツァさんに憧れて……いつかあなたのようになりたいんです!」
「いいね。そんなに言ってくれるなら、アタシの従騎士になるかい?」
「はい!!」
当然の答えを返すと、なぜかピッツァさんが楽しげな笑い声を上げる。
「クククッ……見てみなよ、アスターの落ちっぷり。ほ〜んと、面白いねぇ」
「え?」
ピッツァさんが指差す先を見ると、アスター王子はなぜか膝を抱えて草むしりを始めてた。
「大の男がいじけてやんの。わかりやすすぎて笑えるわ〜」
お腹を抱えて笑うピッツァさん……はて?なぜ、アスター王子はいじけてるの?
「アスター王子、なにしてるんですか?」
「いいんだ…放っておいてくれ……」
「なにが気に入らないかわかりませんが、拗ねないでくださいよ。カツレ草を医務室に届けるんでしょう?早く持っていかなくていいんですか?」
「…………」
あ、また黙った。
ピッツァさんは木の幹を叩きながらお腹がよじれる!とヒイヒイ言ってるし……。なんなんだろ…この人たちは。わたしには理解不可能ですよ。