【電子書籍化決定】婚約破棄から始まる悪役令嬢の焦れったい恋愛事情
(お姉様に近づく為に婚約した……?僕に、与えられた使命??なに、それ…………?私は、わたしは……お姉様に近づく為の駒だったってこと?)
怒りを通り越して、どこか別の場所にいるような感覚だった。
今まで苛立ったり、呆れたり、怒ったり出来たけれど、それすら吹っ飛ばして何も感じない事が不思議だった。
「本当は利用だけしようと思っていたんだ。けど君が僕を一生懸命尽くしてくれる愛らしい姿を見て、ジュリエットの良さに気づく事が出来た!なんと僕の心が少し君に傾いたんだ」
「…………」
「しかし残念な事にルビー様は僕しか幸せに出来ない……だから僕は、これからは君も一緒に愛していこうと思う。二番にはなってしまうけど、ジュリエットは僕の理解者だから……分かってくれるよね?」
「…………」
「勿論、君なら"それでもいい"って言うのだろう……?僕の気持ちはジュリエットにも傾きつつあるなんて凄い事だからね。ルビー様には敵わないかもしれないけど、僕達はきっと良い関係を築けるよ!!」
「…………」
「ジュリエット……?聞いてる!?」
「…………」
「ーージュリエット!ジュリエットッ!?」
そこから先のマルクルスの声は、嘘みたいに何も聞こえなくなった。
視界がぼやけていき、声が遠くなっていく。
「ーーージュリエット!?」
名前を呼ばれた気がしたけど、あまりのショックにそのまま意識を手放したのだった。
怒りを通り越して、どこか別の場所にいるような感覚だった。
今まで苛立ったり、呆れたり、怒ったり出来たけれど、それすら吹っ飛ばして何も感じない事が不思議だった。
「本当は利用だけしようと思っていたんだ。けど君が僕を一生懸命尽くしてくれる愛らしい姿を見て、ジュリエットの良さに気づく事が出来た!なんと僕の心が少し君に傾いたんだ」
「…………」
「しかし残念な事にルビー様は僕しか幸せに出来ない……だから僕は、これからは君も一緒に愛していこうと思う。二番にはなってしまうけど、ジュリエットは僕の理解者だから……分かってくれるよね?」
「…………」
「勿論、君なら"それでもいい"って言うのだろう……?僕の気持ちはジュリエットにも傾きつつあるなんて凄い事だからね。ルビー様には敵わないかもしれないけど、僕達はきっと良い関係を築けるよ!!」
「…………」
「ジュリエット……?聞いてる!?」
「…………」
「ーージュリエット!ジュリエットッ!?」
そこから先のマルクルスの声は、嘘みたいに何も聞こえなくなった。
視界がぼやけていき、声が遠くなっていく。
「ーーージュリエット!?」
名前を呼ばれた気がしたけど、あまりのショックにそのまま意識を手放したのだった。