【電子書籍化決定】婚約破棄から始まる悪役令嬢の焦れったい恋愛事情
そして何故か斧の場所まで頭に浮かぶのだから、たまったもんではない。

(斧に…………呼ばれているわ)

そこに行かなければいけないとう義務感を振り払う様に首を横に振った。
しかし斧を手にする前に、意識を取り戻して色々と思い出せたのは不幸中の幸いと言えるだろう。

恐る恐る窓の下を覗き込むと、そこには楽しそうに会話しているベルジェと、結果的には様々な令嬢達を破滅に追い込んでいくルビーの姿があった。
目が覚めるタイミングまでバッチリである。

(うわぁ……生ルビー、めちゃくちゃ神々しい)

キラキラと輝くような笑顔が眩しい。
そしてルビーと同じくらいか、それ以上に輝きを放っているベルジェは、あのルビーを前にしても平然と会話している。
他の令息達に比べてルビーに対しての熱量は他の令息達に比べて控えめなようだ。

文武両道、品行方正、完全無欠の王子様もルビーの素直で優しい性格と美女具合に、どんどんと落ちていくのだろうなぁ……と考えながら空を眺めていた。
今日はよく晴れた日である。
温かな日差しに照らされて、眠気に襲われながらも思っていた。

(コレ……どうすればいいの?)
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