【電子書籍化決定】婚約破棄から始まる悪役令嬢の焦れったい恋愛事情
ジュリエットの件をきっかけにルビーはベルジェとの距離がグッと近付いていく。
それにはジュリエットの出番が必要なのかもしれないが、こうなった以上、斧を持って突撃するつもりも、わざわざ処刑台に向かうつもりもない。

それにベルジェとルビーは元々好きな人がいた筈だ。
互いに傷を舐め合ううちに惹かれていくのではなかったのだろうか。

(ベルジェって、誰に恋をしていたんだっけ?ルビーは?うーん、思い出せない)

物語の結末がどうなったのかは、記憶が曖昧で上手く思い出す事が出来ない。
そもそも最後までこの物語を読んだだろうか?
何巻まで続いたのか。他には誰が出て来たのか……。

(忘れたわ……)

しかしながら悪役令嬢であるジュリエットの斬新な攻め方が最も印象的だった事は間違いないようだ。

(斧を持ってヒロインに襲い掛かる悪役令嬢なんて他に居ないもの……)

どうやら前世の記憶によると普通のOLとして働いていたようだ。
社会の荒波を乗り越えて、逞しく立派にお一人様として生きてきた記憶を思い出せただけで、人生が楽しくなりそうだ。
この場合『ジュリエット』ととしてどうするべきかと考えを巡らせて数分……。
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