【電子書籍化決定】婚約破棄から始まる悪役令嬢の焦れったい恋愛事情
今までルビーが顔合わせをしたのがベルジェが初めてだ。
子爵令嬢であるルビーが令嬢達の間で大人気の王太子と近付きになれば、以前のジュリエットならば嫉妬をして何故ルビーだけ、と大激怒していた。
ジュリエットの性格を知っている者達なら安易に想像出来る噂だろう。

明らかにジュリエットの株を下げようとする意図を感じる。
この事実と嘘を巧みに混ぜ込んでいく辺りが何ともアイカらしいと思った。


「まぁ……どんな噂でも僕が潰してあげるからいいんだけどね」

「リロイ様が……?」


面倒事が嫌いそうなリロイがこうも動いてくれるとは思わずに眉を寄せた。
何か裏があるのかと眉を顰めて観察するように見ていると、彼はニコリと笑った後にヒラヒラと手を上げた。


「別に裏もないし、君達の為にだけにやっている訳じゃないよ?」

「知ってます。でも、どうしてここまでリロイ様が動いてくれるのか気になって……」


そう言うと、リロイは嬉しそうにニッコリと笑いながら、こう話した。
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