【電子書籍化決定】婚約破棄から始まる悪役令嬢の焦れったい恋愛事情
それを聞いて無意識に眉を顰めた。
一言で言えば面倒なことに巻き込まれることは御免だと思ったからだ。
カイネラ邸でのベルジェは親しみ易くて可愛らしい人だと思っていた為、そんな設定だった事はすっかり忘れていた。


「そんな反応をされるのが分かってたから、今まで黙ってたんだけどねぇ」

「……………」


あの時、一人で参加するつもりだったのにリロイに流されるような形で承諾した事を少し後悔していた時だった。


「だからそういう令嬢達から妬まれやすい。もう君達がパーティーに一緒に参加する話で持ちきりだ。恐らくは兄上が何気なく漏らしたり、キャロラインがジュリエット嬢と同じドレスを着ることが嬉しすぎて漏らした事も原因だろうけどね……」

「あー……はい」

「そこに関しては申し訳ないと思っているよ。ルビー嬢とベルジェは、その危険性を十分に理解しているから、漏れる事はないと思っていたけど、あの二人はねぇ」

「ですが、私も直接アイカ様に言いましたから、二人のせいではありませんよ」

「…………。君のそういう所はとても好感が持てるよ」


つまりはその尻拭いを含めて、リロイが動いてくれているという事なのだろう。
それとは明らかにリロイの発言に気になる部分があった。
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