【電子書籍化決定】婚約破棄から始まる悪役令嬢の焦れったい恋愛事情
そんな姿を姉の唯一の友人である侯爵令嬢のアイカと共に眺めていた。
アイカはルビーに「ジュリエットが心配だから様子を見て来て」と頼まれたそうだ。


「何がジュリエットが心配だからよ!!自分だけ楽しんでッ!許せないわ」

「ジュリエット……気持ちは分かるけれど落ち着いて」

「落ち着いてなんていられない!!腹立たしいものッ!!アイカ様だってお姉様の側にいたら損ばかりするわ!!」

「そんな事は……」

「ッ、アイカ様もお姉様の言う事なんて聞かなくていいのよ!!自分ばかり良い思いしているからって調子に乗って……!」

「ふふっ……まぁ、仕方ないじゃないんじゃないかしら。ルビーは、わたくし達にないものを沢山持っている。皆、そう思って諦めているわ」

「……っ」

「でもジュリエットに婚約者が出来たり、幸せになれるのはルビーの後でしょうね」

「え…………?ど、どうして!?」

「だって、全員ルビーを選んじゃうでしょう?」

「ーーーーッ!!」

「あっ、ごめんなさいね……別に悪気はないのよ。でも事実、ルビーは特別だもの」

「ううん、アイカ様のせいじゃないもの……悪いのはっ、悪いのは……ッ!!」

「…………そうね、貴女は何も悪くないわ」


その後、アイカに言われた言葉がずっと頭を離れなかった。
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