【電子書籍化決定】婚約破棄から始まる悪役令嬢の焦れったい恋愛事情
「具合が悪いのですか!?」
「だ、大丈夫だ……!」
「胸が痛みますか……?」
「少しな……だが、もうすっかり良くなった」
「直ぐにお医者様を呼んだ方が……」
「いや、いい……本当に平気だ。すまない」
そう爽やかにそう言われてしまえば、これ以上何もする事は出来ない。
侍女に汗を拭く布を貰って、ベルジェに渡すと彼は嬉しそうに「ありがとう、ジュリエット嬢」と呟いた。
汗ばんだベルジェが嬉しそうにふにゃりと笑った顔に、控えていた侍女達が倒れる音が聞こえた。
(顔が良すぎると笑顔まで凶器になるのか……覚えておこう)
ベルジェが汗を拭いた布を受け取り、そそくさと走り去っていく一人の侍女。
そして少し離れた場所で、ベルジェの布争奪戦が巻き起こる。
罵倒している声が此処まで届いてくるのを誤魔化す為にベルジェの背を押した。
「ベルジェ殿下、あちらに行きましょうか!此処より涼しいですし」
「ジュリエット嬢……?」
ベルジェに争奪戦の声を聞かせてはいけないと、必死に誘導していた。
「だ、大丈夫だ……!」
「胸が痛みますか……?」
「少しな……だが、もうすっかり良くなった」
「直ぐにお医者様を呼んだ方が……」
「いや、いい……本当に平気だ。すまない」
そう爽やかにそう言われてしまえば、これ以上何もする事は出来ない。
侍女に汗を拭く布を貰って、ベルジェに渡すと彼は嬉しそうに「ありがとう、ジュリエット嬢」と呟いた。
汗ばんだベルジェが嬉しそうにふにゃりと笑った顔に、控えていた侍女達が倒れる音が聞こえた。
(顔が良すぎると笑顔まで凶器になるのか……覚えておこう)
ベルジェが汗を拭いた布を受け取り、そそくさと走り去っていく一人の侍女。
そして少し離れた場所で、ベルジェの布争奪戦が巻き起こる。
罵倒している声が此処まで届いてくるのを誤魔化す為にベルジェの背を押した。
「ベルジェ殿下、あちらに行きましょうか!此処より涼しいですし」
「ジュリエット嬢……?」
ベルジェに争奪戦の声を聞かせてはいけないと、必死に誘導していた。