「仕事に行きたくない」と婚約者が言うので
「行きたくない、行きたくない、行きたくない。騎士団の仕事に、行きたくなーい」
廊下にまで漏れてきたマンフレットの叫び声。まるで、廊下の狩猟トロフィの飾りが叫んでいるようにも聞こえる。
「マンフレット様、ヘラルダです。入ってもよろしいでしょうか?」
扉越しにヘラルダが声をかければ、騒いでいたマンフレットが不思議と静かになる。
「どうぞ」
弱弱しい声が聞こえてきたので、ヘラルダはゆっくりと扉を開けた。
マンフレットは、ひじ掛け椅子にぶすくれた顔をして座っていた。どこからどう見ても、出かけるような雰囲気は無い。ただ、騎士服を着ていることだけは救いだった。
さらりとした金色の髪を、短く刈り上げているその髪型は、騎士の威厳を感じられるもの。
だけど、威厳を感じることができないのは彼のこの態度。
「マンフレット様。どうされました? 今日もお仕事に行きたくないのですか?」
「ヘラルダ。こっちに来て」
マンフレットは、こいこいと、右手を振っている。だから「はいはい」と答える。
廊下にまで漏れてきたマンフレットの叫び声。まるで、廊下の狩猟トロフィの飾りが叫んでいるようにも聞こえる。
「マンフレット様、ヘラルダです。入ってもよろしいでしょうか?」
扉越しにヘラルダが声をかければ、騒いでいたマンフレットが不思議と静かになる。
「どうぞ」
弱弱しい声が聞こえてきたので、ヘラルダはゆっくりと扉を開けた。
マンフレットは、ひじ掛け椅子にぶすくれた顔をして座っていた。どこからどう見ても、出かけるような雰囲気は無い。ただ、騎士服を着ていることだけは救いだった。
さらりとした金色の髪を、短く刈り上げているその髪型は、騎士の威厳を感じられるもの。
だけど、威厳を感じることができないのは彼のこの態度。
「マンフレット様。どうされました? 今日もお仕事に行きたくないのですか?」
「ヘラルダ。こっちに来て」
マンフレットは、こいこいと、右手を振っている。だから「はいはい」と答える。