「仕事に行きたくない」と婚約者が言うので
6.
◇◆◇◆
マンフレットは味噌っかすの仮面を被るのをやめることを決めた。なぜなら、ヘラルダがどのような彼でも受け止めてくれるから。彼女の前で彼女の好きなマンフレットを演じる必要が無くなったから。どのようなマンフレットも好きだと告白されてしまえば、わざわざ自分を作る必要も無いだろう。
マンフレットが味噌っかすの振りをしていたのは、彼女に甘えたかったから。そして、彼女が、そんな甘える味噌っかす王子を好きだと勘違いしていたから。
だけど、ヘラルダにとって味噌っかすの第三王子も、騎士団として皆を取りまとめている第三王子も、どちらも愛するマンフレットであることに違いはない。
甘えたくなったら、どうぞ甘えてください。と、ヘラルダは口にしていた。だから、マンフレットも負けずに言った。ヘラルダが甘えたくなったら僕に甘えて、と。それができるだけの男になる、と――。
「なあ、ヘラルダ。君はもう、剣技はやめてしまったのかい?」
腕の中で抱えるヘラルダの身体は小さい。だが、未だに程よく鍛えられている筋肉は健在。だからこそ、マンフレットの無茶な欲求にもついてくることができるのだ。
マンフレットは味噌っかすの仮面を被るのをやめることを決めた。なぜなら、ヘラルダがどのような彼でも受け止めてくれるから。彼女の前で彼女の好きなマンフレットを演じる必要が無くなったから。どのようなマンフレットも好きだと告白されてしまえば、わざわざ自分を作る必要も無いだろう。
マンフレットが味噌っかすの振りをしていたのは、彼女に甘えたかったから。そして、彼女が、そんな甘える味噌っかす王子を好きだと勘違いしていたから。
だけど、ヘラルダにとって味噌っかすの第三王子も、騎士団として皆を取りまとめている第三王子も、どちらも愛するマンフレットであることに違いはない。
甘えたくなったら、どうぞ甘えてください。と、ヘラルダは口にしていた。だから、マンフレットも負けずに言った。ヘラルダが甘えたくなったら僕に甘えて、と。それができるだけの男になる、と――。
「なあ、ヘラルダ。君はもう、剣技はやめてしまったのかい?」
腕の中で抱えるヘラルダの身体は小さい。だが、未だに程よく鍛えられている筋肉は健在。だからこそ、マンフレットの無茶な欲求にもついてくることができるのだ。