お嬢様、今宵は私の腕の中で。
「分かりました……姫乃、さん。でも、一つ条件です。わたしのことも名前で呼んでください。あと、敬語とかなしに気軽に話せたら、なんて」
「……もちろん!」
「良かった。安心した」
また花が咲くような笑みを浮かべる姫乃さんは、名前の通り本当にお姫様のよう。
「今日、一緒にお茶しない?」
「是非!」
提案すると、姫乃さんは大きく頷いた。
こうして、三春さんの時のように、放課後のお茶会が決まったのだった。