お嬢様、今宵は私の腕の中で。

スマホを受け取ったところで、自宅に到着した。


「どうぞ」

「え、もう準備できたの?」

「はい。終了したと連絡がきています」



いつの間に連絡したんだろう。

本当にぬかりなし。



「お邪魔します」

「どうぞ、こちらです」



わたしたちは九重に促されるまま部室へ向かった。

ドアを開けると、そこはピンク系統でまとめられている一室だった。



「わあ、可愛い!」

「ほんとだ……」



姫乃さんの好みを短い時間で熟知する九重も、指示を受けてこの部屋をつくりだす使用人も、みんなすごいよ。

あとでお礼を言っておこう。


テーブルには、色とりどりのマカロン、ミルフィーユ、カヌレ・ド・ボルドー、タルト、パイ、フィナンシェ。


その他たくさんの可愛らしいお菓子が用意されていた。

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